TVピープル

TVピープル (文春文庫)

TVピープル (文春文庫)

不意に部屋に侵入してきたTVピープル。詩を読むようにひとりごとを言う若者。男にとても犯されやすいという特性をもつ美しい女性建築家。17日間一睡もできず、さらに目が冴えている女。―それぞれが謎をかけてくるような、怖くて、奇妙な世界をつくりだす。作家の新しい到達点を示す、魅惑にみちた六つの短篇。

解決せずに放り出されたまま終わってしまう話が多い。判断は読者に委ねられる。
なんと、初の村上春樹さん。奇妙な世界だけど文章はとっつきやすい。淡々としていて、かつ乙女ちっく。好みではあるけど、かといって強く惹かれるものはない。全体的には、可もなく不可もなく、といったかんじだった。
でも、最後の「眠り」は良かった。「それはどんなものでもあり得るのだ。」と展開していくところ、巧いなあ。
最後はやっぱり途中で切られてしまっていて。あの後はやっぱり…。む?それだと順番が合わない?無限ループするということ?