ユリイカ 米澤穂信特集

全力でユリイカ米澤穂信特集を読んできた。バイオリン担いで鞄持って長い時間立ち読みしていると、本当フラフラ。


言葉を聞いた事はあったけれど、セカイ系の意味を初めて理解した。“「世界の謎と事件の謎を絡めて」はただの一発びっくり箱ではないのか” そうは言っても、価値観を覆すようなたった一つのポイントで、無関係に思えていた謎が全て一気に解決するのは楽しい。それは別にただ驚くだけのびっくり箱の楽しさとは違うと思う。別世界があってそこには独自のルールがある。その物語の世界観が私たちの現実の足元まで揺らがせる。“引き込まれるような”おもしろさは昔から普通小説にはあったはず。本格はもう終りとゆわれているけれど、ミステリに物語の要素が入ってきただけで、ミステリ的な部分が損なわれてはいないと思う。古典を読まない人がそれを言うなってかんじだけど、いかにミステリっぽい定型と本格ミステリと呼ばれているものとは別だと私は思ってる。前に倉知淳さんが本格とはスピリットなんだと書かれていて、すごく納得した。


“全能観か無力観の化け物を書こうと思った。”
正しい自負ってなんだろう。私はまだ見い出せないで完全な無力観の中にいる。例えば高2のときがなかったとして。中学生のときみたいに、いつも楽しくていつも頑張っていて、どこを切っても見せられないような情けない自分はいない、ってそんなのが今もずっと続いてたら恐いかも。そんな自分、逆に考えられない。ただ絶望するだけじゃなくて自分の立ち位置を、正しい自負を早く掴めると良い。む、公共の場で書くことではないな。