熱帯

熱帯

熱帯

熱帯と化した東京を、システムエンジニアが、CIAとKGBが、エアコンを爆破する過激派が、部長もどきが、水棲人が疾走する。

(↑枠内のあらすじはamazonから引っ張ってきてます。これ、読んだ人にはおもしろいけど、そうじゃない人には意味不明なんじゃ…。)
脱線が脱線を呼ぶ小説?島の話からシステム会社の話になって不明省に愛国気候論者に部長もどきに……いつから何の話に変わったのか混乱してくる。ホメロス的叙述は読みにくい(笑。仰々しい文体で内容は無茶苦茶。これぞ不思議で奇妙な佐藤哲也節。翻弄されるうちに、バラバラだった話が一つにまとまっていく。その辺りは『イラハイ』とよく似てる。



でました!アリストテレスの形而上攻め!


「私を焼くとダイオキシンが出ます。」


63問題は、なぜそれを知っているかではなく、そのミーティングとそこに至るまでの経過説明に使われていた方法なのです。そこではホメロス的な叙述が文体として採用されていました。現代の話だというのに、思い出したように神が現れて貴重な経験則に闇を振りかけたりするのですからね。そこには説明もなければ必然性もありません。あるのは書き手の自己満足だけで、これでは読み手は混乱するだけです。

もう爆笑です。
どうでもいいけど、『熱帯』の表紙とこのブログタイトル画像が並んでると笑える。装画の ほしおさなえ さん、東京創元社ミステリ・フロンティアで書いてますね。(読んでないけど)洒落たかんじの装丁とタイトルなのに、こうゆう絵を描くのね!!