向日葵の咲かない夏

向日葵の咲かない夏

向日葵の咲かない夏

明日から夏休みという終業式の日、小学校を休んだS君の家に寄った僕は、彼が家の中で首を吊っているのを発見する。慌てて学校に戻り、先生が警察と一緒に駆け付けてみると、なぜか死体は消えていた。「嘘じゃない。確かに見たんだ!」混乱する僕の前に、今度はS君の生まれ変わりと称するモノが現れ、訴えた。―僕は、殺されたんだ。半信半疑のまま、僕と妹・ミカはS君に言われるままに、真相を探る調査を開始した。

後半がものすごく好みの展開。最初は気味悪い事件と「生まれ変わり」が登場しちゃう世界観に戸惑っていたのに、足元が揺らぐようなどんでん返しにくらくらしてしまった。→「僕だけじゃない。誰だって、自分の物語の中のいるじゃないか。自分だけの物語に。そして、その物語はいつだって、何かを隠そうとしているし、何かを忘れようとしているじゃないか」すごい。ただ、結局何が本当だったのかわからない。途中までは納得して読んでいたのに、1段組に戻ったところでさっぱりわららなくなった。もともと説明付かなくて良いものなのか。←

主人公の名前が「ミチオ」なのが気になる。作者と同名なのはわざと?