亜愛一郎の狼狽

亜愛一郎の狼狽 (創元推理文庫)

亜愛一郎の狼狽 (創元推理文庫)

雲や虫など奇妙な写真を専門に撮影する青年カメラマン亜愛一郎は、長身で端麗な顔立ちにもかかわらず、運動神経はまるでなく、グズでドジなブラウン神父型のキャラクターである。ところがいったん事件に遭遇すると、独特の論理を展開して並外れた推理力を発揮する。作家・泡坂妻夫のデビュー作「DL2号機事件」など全8話を収録した。

あーたのしいっ!!(漢字表記にすると“亜〜楽しいっ!!"になります)容姿は二枚目、挙動は三枚目。キャラクターが良い味だしてる〜。各話ごとに語り手が代わっていく形式の連作短編集です。(猫丸先輩シリーズと同じ〜。いや、だから読もうと思ったんだけど)
「DL2号機事件」が一番好きです。“まさか2度も同じことは起こらないだろう”という思想に取りつかれた人の話。そうかそうか、それでわざとコケる真似をしたり、事故を起こした運転手を雇ったりしたんだな!って納得してたけど、それだけじゃ終わりませんでしたね。最後にもうひとひねり!斧までわざと外したとは!なるほど、そこまでは気が付かなかったよ。

― 引用 ―

「名前は?」
「亜といいます」
「あ?」 --(略)--
「希硫酸の亜という字を書きます」
「まてよ、希硫酸に亜という字があったかな?」
「間違えました。亜硫酸の亜の字でした。」

この微妙なノリの会話がツボです(笑;
猫丸先輩シリーズがお好きな人には結構ウケるんではないかと。