西洋音楽

西洋音楽史―「クラシック」の黄昏 (中公新書)

西洋音楽史―「クラシック」の黄昏 (中公新書)

一八世紀後半から二〇世紀前半にいたる西洋音楽史は、芸術音楽と娯楽音楽の分裂のプロセスであった。この時期の音楽が一般に「クラシック音楽」と呼ばれている。本書は、「クラシック音楽」の歴史と、その前史である中世、ルネサンスバロックで何が用意されたのか、そして、「クラシック後」には何がどう変質したのかを大胆に位置づける試みである。音楽史という大河を一望のもとに眺めわたす。

フランス音楽の再生とくると途端嬉しくなってくる。スノビズムと言われればそうなの、その通りなのさ。
シュトラウス・オーケストラの戯画。ドイツ・ロマン派のあの威圧的な押し付けがましさはわざと、ハッタリだったのか!そう思うと少し見方が変わってくる。

西洋音楽好き特有の偏見というか、嫌〜なかんじが全くない。平等な目で見ている良い本です。普通は平等にしようとすると、かえって妙なものが浮き出てきちゃうんだけどね。だって、自分が好きなものが一番「良いものだ!」って思ってる感情は変えようがないんだもん。学問として、でも変に自分の好みを押し込めた風でもなく、ごく自然に広く音楽史を語る著者はすごいと思う。