ちょっと遅めの2006年まとめ

今まで年に40〜50冊だったことを考えると、100冊は随分と大それた目標でした。99冊までねばりましたが達成できず、残念無念!でも、たくさんおもしろい本を読めて満足。前半は小説以外にも、ジャンルを問わず体当たり。


これが特に!って本を挙げるなら、伊坂幸太郎『重力ピエロ』『ラッシュライフ』、栗田有起『オテル・モル』、佐藤哲也『イラハイ』、米澤穂信ボトルネック』。次点で服部まゆみ『この闇と光』、若竹七海スクランブル』。


自分の中ではもう、伊坂幸太郎の本がおもしろいのは当たり前の域。どれを取っても安定して楽しめるんだもん。独特の倫理観とキャラクターのかっこ良さ!それにミステリ部分が私のツボな方向に傾いた『重力ピエロ』は格段だった。


『イラハイ』はすごい!の一言に尽きる。冒険が始まったので、ウーサンは走った。ってセンスがすごい。ちなみに、『イラハイ』はウーサンの冒険物語なので第7章までは、ウーサンの旅立ちにはまだいくらかの間があり、その限りではこの物語はまだはじまっていない。のである。


忘れてはいけないのが、米澤穂信ボトルネック』。読んだ後数日は何も手が付けられなくなった。米澤さんが描きたかった年代ど真ん中だったんだと思う。一人称で語られていく言葉が、自分そのままでショックだった。だけど、そのしばらく後にインタビュー記事(⇒)を見つけて読んで、このかんじは消えていくものなんだと思ったら少し安心した。ずっと続くのであれば、とても生きてはいけない気がしてた。もっと年をとって越えてから読んだとき、私は何を思うか。
氷菓』から始まって、米澤さんの本をたくさん読んだ年だった。年代的にリアルタイムで作風の変化を追っていける初の作家でもあるから、これからも新作を楽しみに順番に読んでいきたい。講演会の話やインタビューで、物語の進行から登場人物のセリフや一挙一動まで、丁寧に小説を書いてるんだなってかんじたから、期待してるんだ。本格のガジェットを扱うことの照れを捨てた作品になるらしい、今年刊行予定の『インシテミル』とか特に、ね。倉知淳さんにおける『星降り山荘〜』みたいなかんじ?って思うと、やっぱり期待しちゃうよ!



2006年読了本