さよなら妖精

さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)

さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)

雨宿りをするひとりの少女との偶然の出会いが、謎に満ちた日々への扉を開けた。遠い国からはるばるおれたちの街にやって来た少女、マーヤ。彼女と過ごす、謎に満ちた日常。そして彼女が帰国した後、おれたちの最大の謎解きが始まる。覗き込んでくる目、カールがかった黒髪、白い首筋、『哲学的意味がありますか?』、そして紫陽花。謎を解く鍵は記憶のなかに――。忘れ難い余韻をもたらす、出会いと祈りの物語

やや!これはすごく良い!!他のミステリに比べたら謎はごくささやかで、主人公の視点もクールで言葉遊び的な会話が多くて、普通程度におもしろいスタイリッシュな小説だなあっていうのが途中までの印象だった。けどそれが最後のシーンで変わる。それまでの物語が重みを増して蘇ってくるかんじ。最後はぼろぼろ泣いてしまった。マーヤのことも、センドーのことも、私も全然わかってなかったんだなって。