空の卵

青空の卵 (CRIME CLUB)

青空の卵 (CRIME CLUB)

僕は坂木司外資系の保険会社に勤務している。友人の鳥井真一はひきこもりだ。プログラマーを職とし、料理が得意で、口にするものは何でも自分で作ってしまう―それもプロ顔負けの包丁さばきで。要するに外界との接触を絶って暮らしている鳥井を、なんとか社会に引っ張り出したい、と僕は日夜奮闘している。そんな僕が街で出合った気になること、不思議なことを鳥井の許に持ち込み、その並外れた観察眼と推理力によって縺れた糸を解きほぐしてもらうたびに、友人の世界は少しずつ、でも確実に外に向かって広がっていくのだった…