語り女たち

語り女たち

語り女たち

その話にわたしはじっと聴き入っていた。時空を超えて漂うように……。
海辺の街に小部屋を借りて、女たちの声に耳を傾ける。語り出されるのは幻想的な――そして日常的な――「謎」のものがたり。緑の虫の話、ささやく歌の話、アフリカの映画の話、不眠の画家の話……微熱をはらむその声に聴き入るうちに、からだごと異空間へ運ばれてしまう、17話。その多彩な小説世界を堪能できる短篇集。

久しぶりの北村薫さん。言葉の綺麗さにうっとりさせられます。次回こそは直木賞を・・・!