凶笑面
“異端の民俗学者”蓮丈那智。彼女の研究室に一通の調査依頼が届いた。ある寒村で死者が相次いでいるという。それも禍々しい笑いを浮かべた木造りの「面」を、村人が手に入れてから―(表題作)。暗き伝承は時を超えて甦り、封じられた怨念は新たな供物を求めて浮遊する…。那智の端正な顔立ちが妖しさを増す時、怪事件の全貌が明らかになる。本邦初、民俗学ミステリー。全五編。
- 作者: 北森鴻
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/01/29
- メディア: 文庫
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こゆの大好きー。歴史の新解釈に現在の事件をかけていく手法。中でも「不帰屋」の真相には驚愕でした。何故守らなくてはいけなかったのか、ていう最後のところに。「邪宗仏」のラストで、内藤が那智に「その仮説はどこまで本気なのか」ときくのでけど、私もぜひ答えがききたい。歴史系のミステリを読むたびに思うこと。作者はどこまで本気でどこから笑って書いてるんだろ。
ミステリとしておもしろいだけでなく、登場人物のキャラクターも良い!クールで破天荒な民俗学者那智と彼女に振り回されっぱなしの助手内藤三國。那智が独特のイントネーションで「ミクニ」と呼ぶとき、事件は解決に向かっていくのです!
おや。絶賛してますね。